防火構造と耐火構造の違いは?災害に備える家づくりの基礎知識

近年、自然災害の増加に伴い、住宅の安全性に対する関心が高まっています。
特に、火災は、私たちの大切な家族や財産を一瞬にして奪う恐ろしい災害です。
火災から、私たちの大切な家族や財産を守ってくれるのが、住宅の「防火構造」と「耐火構造」です。
この二つの構造は、火災時に建物が燃え広がることを防ぎ、人命を守る上で非常に重要な役割を果たします。
今回は、災害に強い家づくりに欠かせない「防火構造」と「耐火構造」の基本的な違いについて解説します。
お住まいを検討するうえで知っておきたい基礎知識として、ぜひ参考にしてください。

焼杉外壁

防火構造と耐火構造の基本的な違い

防火構造と耐火構造は、建物の安全性に関わる重要な要素です。
防火構造は、主に外部の火災から建物を守ることを目的とし、外壁や軒裏に防火性の高い素材を用います。
延焼を防ぐことで、火災時の被害を最小限に抑えます。
一方、耐火構造は、建物自体が燃えにくく、火災発生時に倒壊しにくく延焼しないように、構造部材にも耐火性能を持たせています。
建物内部からの火災にも対応でき、高い安全性を確保できます。

外側からの火災に強い防火構造

防火構造は、建物の外側からの火災に対する防御力を高めます。
特に、都市部など住宅が密集した地域では、隣家に延焼するリスクが高いため、火災の拡大を防ぐ上で効果的です。
防火構造の基準は、外壁や軒裏が30分間の火災に耐え、建物が倒壊しないことと定義されています。
しかし、建物内部からの火災に対しては、耐火構造ほど高い安全性を確保できない点で注意が必要です。
近年は、防火性の高い建材も多くなっているため、費用は比較的安く済みます。
また、木造住宅にも適用できるため、一般的な住宅でも防火構造を採用することが可能です。

建物全体が火災に強い耐火構造

耐火構造は、建物全体が火災に強い構造です。
外部からの火災だけでなく、建物内部で火災が発生した場合でも、倒壊しにくく延焼しにくい構造となっています。
そのため、火災時の避難時間を確保しやすく、災害時の被害を最小限に抑えることができます。
従来は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物が中心でしたが、近年では木造でも耐火性能を持つ住宅が建てられています。
人が多く集まる施設や高層ビルなどでは、法規制により耐火構造が義務付けられるケースがほとんどです。
また、建物の階数や立地する地域によっては、耐火構造や準耐火構造が求められる場合もあります。

煉瓦(レンガ)壁

防火地域と準防火地域とは?

防火地域と準防火地域は都市計画法によって定められた地域で、火災の発生や拡大を防ぎ、市民の生命や財産を守るために設けられています。
都市部では建物が密集しているため、一旦火災が発生すると短時間で広範囲に延焼する可能性が高く、大きな被害をもたらす恐れがあります。
そのため、防火地域や準防火地域で建築物に一定の防火基準を設けることで、火災の発生を抑制したり、延焼を遅らせたりすることで、被害を最小限に抑えることを目的としています。

防火地域

防火地域は、市街地の中でも特に火災の危険性が高い地域とされ、建築物に対して厳しい防火基準が適用されます。
火災の発生を抑制し、仮に火災が発生しても延焼を最小限に抑えることが目的で、具体的には、建物の構造や外壁、軒裏など、あらゆる部分の防火性能を高くする必要があります。

・3階建て以上、または延べ床面積が100㎡を越える建物は耐火構造が原則
・外壁や軒裏に防火性の高い材料を使用
・開口部には防火戸を設置
・木造建築物は制限が厳しい

準防火地域

準防火地域は、防火地域ほど火災の危険性が高くはないものの、一定の防火対策が必要とされる地域です。
防火地域に比べると、建築基準は緩やかですが、防火地域と同様、火災の延焼を防ぐことを目的としています。

・3階建て以上、または延べ床面積が500㎡を越える建物は、耐火構造防または準耐火構造が原則
・木造建築物の制限が防火地域より緩和
・一定規模以上の建物には耐火構造が求められる

防火・準防火地域

出典:国土交通省 建築基準法制度概要集

※1 附属建築物の場合
※2 ①隣地境界線等から1m以内の外壁の開口部に防火設備 ②外壁の開口部の面積は隣地境界線等からの距離に応じた数値以下 ③外壁を防火構造とし屋内側から燃え抜けが生じない構造 ④軒裏を防火構造 ⑤柱・はりが一定以上の小径、又は防火上有効に被覆 ⑥床・床の直下の天井は燃え抜けが生じない構造 ⑦屋根・屋根の直下の天井は燃え抜けが生じない構造 ⑧3階の室の部分とそれ以外の部分とを間仕切壁又は戸で区画することが必要
※3 木造建築物の場合

火災保険と耐火構造の関係

火災保険は、建物が火災によって損害を受けた際に、その損害を補償する保険です。
地震によって発生した火災は、火災保険では補償されません。

火災保険の保険料は、建物の構造によって変わります。

耐火構造の建物は火災に対して非常に強く、燃え広がりにくい性質があるため、火災保険の保険料が比較的安く設定されます。
これは、耐火性能が高い建物ほど、火災による被害を抑えられるためです。
住宅の構造は、大きく分けて、M構造(マンション構造)・T構造(耐火構造)・H構造(非耐火構造)の3つあります。
H構造 > T構造 > M構造の順に火災リスクが低くなるため、保険料も安く抑えられます。

一方、防火構造の建物も一定の防火性能を備えていますが、耐火構造ほど高くはありません。
そのため、保険料は非耐火構造よりも安くなる傾向にありますが、耐火構造ほど安くはなりません。

構造級別

リフォームでできる火災対策

リフォームによって、既存住宅の耐火性能を向上させることが可能です。
以下は、火災対策として有効なリフォームの例です。

・耐火性の高い建材への交換

外壁や屋根を耐火性の高い建材に交換することで、建物全体の耐火性能を向上させることができます。

・内装材の変更

木材や布などの燃えやすい内装材を、石膏ボードや金属、防炎性能のあるものなどに交換することで、火災時の延焼を防ぎやすくなります。

・IHクッキングヒーター

ガスと異なり火が出ないので、火災が発生する可能性が少なくなります。

・煙感知器・スプリンクラー・自動消火器の設置

火災を早期に感知し、初期消火を行うことで被害を最小限に抑えることができます。

・防火戸の設置

火災が発生した場合、防火戸が炎や煙の侵入を防ぎ、避難時間を確保することができます。

ただし、リフォームによってすべての住宅を完全な耐火構造にすることは困難です。
建物の構造や老朽化の度合いを考慮し、最適なリフォーム計画を立てることが必要です。
そのため、火災対策を行う際には専門業者に相談し、建物の状態に応じたリフォームプランの提案を受けることをおすすめします。

設計打合せ

まとめ

防火構造と耐火構造は、どちらも火災から建物を守るための構造ですが、その性能や基準は異なります。
防火構造は、外部からの延焼を防ぎ、一定時間火災に耐える性能を持っています。
一方、耐火構造は、より高い耐火性能を有しており、大規模な火災にも耐えうる構造です。
家づくりを行う際は、ご家族の安心を考え、住まいや地域の条件に合わせた防火・耐火性能を備えた、最適な構造を選ぶことが大切です。
防火・耐火構造の住宅は、初期費用は高くなりますが、長期的に見ると安心できる住まいと言えるでしょう。
この記事が、理想の家づくりのお役に立てれば幸いです。


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