気密性の高い家はカビが生える?健康・省エネ効果と知っておくべきポイント

近年、暮らしやすい住宅として多くの方々に支持されている高気密・高断熱住宅。
高気密・高断熱住宅は、1年を通じて住宅全体を快適な温度に保つことができ、省エネルギー効果や快適な室内環境の実現など、多くのメリットがあります。
しかし、高気密にすることでカビの発生を促進するのではないかという懸念の声があります。
その一方で、実際にはカビが発生しにくいという意見も存在します。
今回は、気密性の高い家がカビにどのように影響するのか、そして健康への影響はどうなのかについてご紹介します。

窓と換気

気密性の高い家

気密性とは?

気密性とは、住宅の外部からの空気の侵入や内部からの空気の漏れをどれだけ防げるかを示す性能です。
気密性が高い家は外気の影響を受けにくいため、夏場の暑い気温や梅雨のジメジメとした湿気、冬の乾燥した冷たい外気の影響を受けづらく、室内の温度や湿度を一定に保ちやすい特徴があります。
そのため、冷暖房の効率が上がり、少ないエネルギーで快適な室内環境を実現できます。

気密性を測定する方法

気密性は、特定の気圧下で住宅の隙間から漏れる空気量を計測し、C値(隙間相当面積)という指標で表します。
C値の測定には、主にブロワードアテストという方法が用いられます。
窓やドアなどの開口部を塞いだ状態で特殊な機械を使って一定の圧力を建物に加えたときに、その圧力を維持するのに必要な空気の流量を測定することで住宅の隙間の合計面積を測ります。
一般的に、C値が0.5㎠/㎡以下であれば、気密性の高い家と言えます。

リビング

気密性の高い家はカビが発生しやすい?

気密性が高い家は、カビが発生しやすいともカビが発生しにくいとも言われます。
なぜ、相反する意見が存在するのでしょうか?

カビの発生原因

まずは、カビが発生する原因について見ていきます。
カビの発生には、温度、湿度、栄養源の三要素が揃っている必要があります。

・温度

住宅内に生えるカビは、温度が20~35℃で特に活発に繁殖します。
一般的に、人が快適に過ごせる室内の温度は18〜28℃とされているため、暖かい室内環境はカビが繁殖するのに適した温度となります。

・湿度

湿度が70%以上になるとカビの繁殖が活発になります。
梅雨の時期や真夏は湿度が高くなり、湿度が高い環境ではカビの発生リスクが大幅に増加します。
また、水回りは常に水があるため湿度が高くなりやすく、カビが生えやすい場所です。

・栄養源

カビは有機物を栄養源とします。
壁紙やカーペット、家具、ホコリ、手アカ、石けんのカス、結露した水など、住宅内のさまざまなものがカビの栄養源となります。

なぜ気密性が高い家はカビが発生しやすいと思われるのか

気密性の高い家は、適切な換気が行われないと湿気がこもりやすくなります。
外部からの空気の侵入や内部からの空気の漏れが少ないため、自然に空気が入れ替わることはありません。
そのため、室内の湿度が高くなった場合、その環境が維持されつづけやすく、カビの発生リスクが高まると考えられています。
しかし、現在では24時間換気システムの設置が義務化されており、2時間に1回、住宅全体の空気を入れ替える換気量を確保することが定められています。
気密性を高くすることで計画的な換気の効率が向上し、隙間が多い住宅に比べて空気だまりを作らず、住宅全体の空気をより確実に入れ替えることが可能です。
そのため、気密性の高い家は、計画的な換気がしっかりと行なわれていれば湿度をコントロールしやすく、カビが生えにくい住宅と言えます。

関連記事:24時間換気システムは必要?義務化された理由と効果や種類

カビがもたらす健康被害

カビの胞子は常に空気中を漂っており、繁殖して漂う胞子の量が増えると室内の空気質を悪化させます。
これにより、アレルギーや喘息、呼吸器系の疾患など、さまざまな健康問題を引き起こすリスクが高まります。
特に、子どもや高齢者、免疫力が低下している方は、カビの健康被害を受けやすいと言われています。
また、カビなどが生成するMVOC(微生物由来揮発性有機化合物)は健康を脅かす可能性があります。
湿気が多い建物で感じるカビ臭さは、ジェオスミンというMVOCが原因です。
そのため、カビの発生を防ぐことは、住環境の健康維持において極めて重要です。

カビの予防方法

気密性の高い家でカビの発生を防ぐためには、以下の方法が効果的です。

・換気システムを止めない

カビの予防には常に新鮮な空気を取り入れることが重要です。
特に、高気密住宅は自然に空気が入れ替わることはなく、湿気がこもりやすくなってしまうため、換気システムで湿気や汚れた空気を効果的に排出し、室内の空気を清潔に保つことが必要です。
状況によって、窓を2か所以上開けて、きちんと換気しましょう。
また、水回りで換気が不十分だと湿気が室内に留まりやすく、カビが発生しやすい環境が生まれてしまいます。
定期的なメンテナンスを行い、換気システムが正常に機能していることを確認しましょう。

・断熱性を高める

気密性能が高くても、断熱性能が低いと外部との温度差によって結露が発生します。
結露は、室温と外気温の温度差が大きい場所で発生し、カビの発生原因となります。
そのため、適切な断熱材や断熱性能の高い窓やドアを使用することで、外気温を室内まで伝えず、温度差の影響を最小限にする必要があります。
特に、窓は結露が発生しやすい場所であるため、ガラスとサッシ共に断熱性に優れたものを選ぶようにしましょう。
また、性能の低い断熱材や隙間ができやすい断熱材では、長期にわたって性能を維持することが難しく、内部結露によってカビや腐食を発生させるリスクが高まります。

関連記事:グラスウールは水濡れに弱い?雨漏りや結露から断熱材を守る対策方法

・こまめな掃除

定期的な清掃を行い、カビの発生原因となる汚れを取り除くことも対策になります。
特に、湿気がたまりやすい水回りや結露しやすい窓は重点的に清掃しましょう。
防カビ剤を使用することやカビの兆候が見られたら早期に対処することも効果的です。
また、家具の裏やクローゼット、通気口、エアコンのフィルターなど、見落としがちな場所も空気の流れを確保し、定期的に清掃を行いましょう。
清潔な環境を保つことで、カビの発生リスクを低減できます。

関連記事:カビが生えない家を作るためには?カビを防いで健康に過ごそう! 

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まとめ

これからの住宅において、高気密・高断熱は必須の性能です。
気密性の高い家は、省エネ効果や快適な室内環境を実現しますが、適切な対策を怠るとカビの発生リスクが高まる可能性があります。
カビは人体に悪影響を与えるだけでなく、壁の内部や構造材に発生した場合、住宅の強度を弱め、寿命を縮める危険性もあります。
気密性の高い家でカビの発生を抑えるためには、適切な換気と湿度管理が重要です。
カビ対策を十分に行いながら、快適で健康的な住環境を実現しましょう。


大栄建設では、健康をコンセプトに空気がおいしい家づくりにこだわり、スーパーウォールによるHEAT20 G2、C値 ≦ 0.5を基準として全棟耐震等級3、長期優良住宅、パッシブデザインの高気密・高断熱・省エネ住宅の設計・施工を手掛けております。
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大栄建設の ZEH普及実績と今後の目標

2025年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH目標値は新築75%・既存75%
2023年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2022年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築67%・既存0%
2021年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2020年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築50%・既存0%