吹付ウレタン断熱の効果とは?特徴とメリット・デメリット

健康で快適な生活空間を追求するためには、住宅の断熱性能は非常に重要です。
断熱性能の高い住宅は冷暖房効率が良くなり、住宅の中の温度を一定に保てる省エネで快適な暮らしを実現出来ます。
断熱性能を高めるためのポイントはいくつかありますが、その中でも断熱材選びは断熱性能に大きく関わり、断熱材それぞれの特徴を理解しておく必要があります。
今回は断熱材の中から吹付ウレタン断熱についてご紹介します。

吹付ウレタン断熱

吹付ウレタン断熱とは?

吹付断熱とは、断熱材を壁や床、天井、屋根などへ直接噴霧して吹き付ける断熱方法のことです。
吹付断熱に使用する最も一般的な断熱材はポリウレタンフォームで、吹付ウレタン断熱、発泡ウレタン断熱と呼ばれます。
ポリウレタンフォームは大別すると硬質軟質の2種類があり、どちらもさまざまな用途で使用されますが断熱材として使用されるのは硬質で、硬質ウレタンフォームを使用した断熱材には工場でボード状に成形されるものと、現場で吹付けて使用する2種類のタイプがあります。
吹付ウレタン断熱は化学反応によって発泡する合成樹脂の一種で、吹付けることで発泡・接着しその後固まります。
硬化したポリウレタンフォームには無数の細かい気泡が形成され、気泡内に大量の空気を留めておくため熱伝導率が低く、高い断熱性能を発揮する断熱材となります。
以前は吹付ウレタン断熱などの発泡プラスチック系断熱材にフロンガスが使用されていましたが、現在は全てノンフロンが義務付けられています。

断熱材吹付けウレタン

吹付ウレタン断熱のメリット

断熱性・気密性が高い

吹付ウレタン断熱は無数の細かい気泡が形成され、内部に多量の空気を含むことで高い断熱性能を誇ります。
グラスウールの熱伝導率が0.036~0.042W/mKに対して、吹付ウレタン断熱は0.026~0.034W/mKと比較的高い断熱性能が得られます。
また、吹き付ける際に発泡して密着するため、窓やコンセント周りなどの細かい部分にも隙間なく充填でき、高い気密性も同時に実現できます。
気密性が低いと水が漏れる水槽のように、外気が遮断できずにエネルギーのムダが多くなり光熱費がかかります。
断熱性と気密性は一体となって初めて効果が表れるため、断熱性を高めるためには気密性も重要になります。

関連記事:高気密・高断熱の家とは?メリット・デメリットをご紹介します。

遮音性に優れる

ポリウレタンフォームは空気を多く含んでおり、その空気が音を遮断する効果があります。
防音には主に音を吸収し小さくする吸音と音を遮り通さない遮音の2種類があり、吹付ウレタン断熱は無数の細かい気泡が形成され、気泡内に大量の空気があるため音が伝わらない遮音性能が高い断熱材です。
高い遮音性により、外部の騒音や内部からの生活音が漏れることを防ぎます。
ただし、吸音性は低いと言われているため、防音性能を重視するなら吸音材を追加するなどの対策が必要となる可能性があります。
交通量の多い道路や高速道路、線路、空港が近くにあったりする場合、騒音はストレスになってしまう可能性があるため防音性は重要になります。

関連記事:防音室のある家を建てるには?作る際のポイントと注意点

内部結露やカビの抑制

硬質ウレタンフォームは、種類によっては小さな硬い泡がそれぞれ独立した気泡:独立気泡フォームとなっており、湿気を通しにくい構造となります。
そのため、室内側からの湿気は断熱材が遮断し、室外からの湿気は通気層を設けることで排出できるため、内部結露が起こりにくい状態を保つことで耐久性を高めることができます。
壁内に結露が発生しにくいため、カビの発生も抑えることが可能となります。

関連記事:内部結露とは?原因と危険性を知って防ぐための対策

吹付ウレタン断熱

吹付ウレタン断熱のデメリット

施工品質で性能が変わる

吹付ウレタン断熱は工場で製造された断熱材を敷き詰めるのとは違い、現場で断熱材を吹き付けて充填させます。
きちんと均等に隙間なく充填することは誰にでも簡単に出来る作業ではなく、ムラや隙間が出来てしまえば断熱性や気密性が低下してしまうことが考えられます。
そのため、確かな技術力を持った職人がいる住宅会社を検討する必要があるでしょう。
また、気温や湿度によって施工品質の差に繋がる可能性があるため、施工の際の天候や季節も考慮する必要があります。

グラスウールと比較して費用が高い

吹付ウレタン断熱はグラスウールなど他の無機繊維系断熱材と比較すると費用が高い傾向にあります。
ただ、他の高性能な断熱材なども含めると平均的な価格で、吹付ける範囲が広い住宅や複雑な構造をしている建物の場合や、使用するウレタンフォームの種類などによって費用が変わります。
専門的な機材や知識、経験などの施工技術が必要となるため、予算と相談しながら検討するようにしましょう。
また、吹付ウレタン断熱は断熱材だけでシロアリの被害を防ぐことができないため、防蟻対策も行う必要があります。

原料に有毒物質を使用

硬質ウレタンフォームは、イソシアネートとポリオールという2つの薬剤を混ぜ合わせ化学反応させて合成します。
使用するイソシアネートは有毒で発がん性も指摘されていることから、現場で作業する職人の健康被害が懸念されるため予防的措置が必要となります。
また、ポリウレタンを200℃以上に加熱するとイソシアネートが分離する危険性も指摘されているため、火災時などに有毒ガスが発生するリスクがあります。
ただし、硬質・軟質を問わずポリウレタンは衣料品や合成皮革、緩衝材、塗料など幅広く使用されており、通常の環境でイソシアネートが分離することはなく、健康被害が発生する可能性はほぼありません。

関連記事:グラスウールは水濡れに弱い?雨漏りや結露から断熱材を守る対策方法

リビングダイニングキッチン

まとめ

吹付ウレタン断熱は施工の自由度が高く隙間なく密着させることが出来るため、高い断熱性と気密性を同時に高めることが可能です。
ただし、施工品質によって性能にバラつきが出る可能性があるため、確かな技術力を持った職人がいる住宅会社を検討する必要があるでしょう。
きちんと施工できることを前提とすると、性能とコストを考えておすすめの断熱材となります。
ご家族が末永く快適に暮らしていくために、妥協することのない断熱材選びをしましょう。


大栄建設では、健康をコンセプトに空気がおいしい家づくりにこだわり、スーパーウォールによるHEAT20 G2、C値 ≦ 0.5を基準として全棟耐震等級3、長期優良住宅、パッシブデザインの高気密・高断熱・省エネ住宅の設計・施工を手掛けております。
完全自由設計の注文住宅』、規格住宅『TRETTIO』、建て替えよりもコストを抑えた『フルリノベーション』をご用意しており、
資金計画や住まいづくり勉強会、見学会・相談会なども定期的に開催しておりますので、お気軽にご相談ください。

○ホームページ
https://www.daiei-co.com/

○リフォームページ
https://reform.daiei-co.com/

○モデルハウス
https://www.daiei-co.com/modelhouse

○Instagram
https://www.instagram.com/daiei.kensetsu.kanazawa_bunko/

○Facebook
https://www.facebook.com/daieico/

お気軽にご相談ください

横浜市で新築注文住宅を建てる大栄建設株式会社

 0120-81-6636 
営業時間 8:30~17:30
定休日 水曜、祝日、夏季、年末年始
横浜市で新築注文住宅を建てる大栄建設はZEHビルダー

大栄建設は ZEHの普及に努めています!

ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の略。

ネットゼロエネルギー住宅とは、建物の断熱化+機器の高効率化により、使用エネルギーを削減し、さらに、太陽光発電などの創エネルギーを用いることで、エネルギー収支がゼロになる住宅のこと。

大栄建設の ZEH普及実績と今後の目標

2025年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH目標値は新築75%・既存75%
2023年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2022年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築67%・既存0%
2021年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2020年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築50%・既存0%