グラスウールは水濡れに弱い?雨漏りや結露から断熱材を守る対策方法

グラスウールは安いコストで高い断熱性を持つことから、住宅用の断熱材として幅広く使われてきました。
しかし、グラスウールが安いからと安易に選ぶと後悔することになるかもしれません。
グラスウールは施工が難しく、正しく施工しなければ断熱性能が発揮されず夏暑く冬寒い住宅となってしまうリスクがあります。
また、水に弱く、濡れてしまうと構造の劣化に繋がり、最悪の場合は住宅が倒壊する恐れもあります。
今回は、グラスウールを断熱材として使う際の注意点と対策についてご紹介します。

グラスウール壁断熱

グラスウールとは?

グラスウールとは、ガラスを主原料とする綿状の断熱材で、断熱性、不燃性、吸音性に優れています。
資源ゴミを利用したリサイクルガラスが使われていて、価格が安く軽量で、コストパフォーマンスが良いことから広く使われてきました。
繊維系の断熱材の中でも無機繊維系に分類され、繊維と繊維の間に大量の空気層をもつことで高い断熱効果を発揮します。
ただし、グラスウールは湿気に弱く、水に濡れると断熱機能が下がり元には戻りません。
また、湿気を含むことでグラスウール自身が重くなって下にズレ落ちてしまい、断熱機能が失われてしまったり、カビや木材腐朽菌が繁殖してしまう可能性があるため、しっかりとした湿気対策を施す必要があります。

グラスウールのメリットと特長

・イニシャルコストが安い

グラスウールはイニシャルコストが安いというメリットがあります。
断熱材としての性能は、発泡プラスチック系の断熱材の方が高いですが、その分イニシャルコストも高くなります。
ただし、断熱性能があがることで省エネ性能もあげることができるため、ランニングコストはグラスウールの方が高い傾向にあります。

・燃えにくく、防音効果がある

グラスウールの原料はガラスのため耐火性に優れていて、燃えたとしても有毒ガスは発生しません。
また、グラスウールは厚さや密度などによって、幅広い周波数の音域で優れた吸音性能を発揮するため、防音性能の高い断熱材です。

・人体への安全性が認められている

ガラス繊維のため万が一体内に入ったとしても、アスベストとは異なり体液に溶けて排出されます。
また、IARC(国際がん研究機関)で、「人に対する発がん性については分類できない」と安全性については国際的にも高く評価されています。

グラスウールのデメリットと注意点

・隙間なく施工することが難しい

断熱材を施工する際は、隙間が出来ないようにきっちりと充填する必要があります。
熱も水などと同様に、隙間が出来てしまえばそこから出入りしてしまうため、グラスウールのサイズが小さく隙間が出来てしまったり、逆にサイズが大きく無理に押し込んだ結果、歪んで隙間が出来てしまったりした場合には断熱性能が下がります。
隙間なくグラスウールを施工するためには、経験と技術が必要になります。

・耐水性が低い

グラスウールは、繊維の間に空気を含むことで断熱します。
グラスウールが雨漏りなどによって水に濡れたり湿気や結露を含んだりすると、断熱機能を十分に発揮することが出来なくなってしまいます。
濡れてしまった場合は速やかに乾燥させる必要がありますが、壁の内部で起こるために気づかずに対応が遅れてしまい、被害が発生する可能性が高まります。
そのため、グラスウールは袋に詰めた状態や防水シートなどを用いて、水や結露の影響を受けないように施工しなければなりません。

関連記事:断熱材の種類による違いは何?それぞれの特徴と選ぶ基準

グラスウール壁断熱施工不良

グラスウールが水に濡れる影響

断熱機能の低下

グラスウールなどの繊維系断熱材は、繊維の間に無数の動かない空気層があることで断熱機能を発揮しますが、雨漏りや結露などによって水に濡れてしまうと空気層をつぶしてしまい断熱機能が低下します。
一度水に濡れると繊維同士がくっついてしまい、断熱に必要な空気を溜め込むことができなくなってしまいます。しっかりと乾燥させることで再利用することは可能ですが、断熱機能を完全に元に戻すことはできません。
また、グラスウールが濡れてしまうと水を吸い込んで重くなり、重みによってグラスウールがずれてしまうことがあります。
そうなると断熱材がない部分が生じてしまい、気密性も低下するため断熱機能は著しく損なわれます。

カビの発生

カビは水分、温度、酸素、栄養源が揃っている場所であればどこでも繁殖します。
グラスウールは水を吸収し湿気を保持する性質のため、水に濡れてしまうとグラスウールが充填してある壁の内部はカビが繁殖するために非常に適した環境が整います。
壁の内部で起こるため簡単にメンテナンスをすることもできず、喘息やアレルギー疾患など暮らす人の健康面に影響を及ぼす恐れが高まります。

構造材の腐食

グラスウールが長期間濡れた状態が続くと、構造材を腐らせる木材腐朽菌が繁殖します。
木材腐朽菌は、その名の通り木材の組織を分解し腐敗させるため、住宅の耐久性や耐震性が落ちることにも繋がります。
さらに腐敗した木材は、シロアリの繁殖を招き被害を拡大させます。
木材の腐敗やシロアリの繁殖は建物寿命を縮める大きな原因となり、とくに地震などの災害発生時の倒壊に繋がりかねません。

関連記事:内部結露とは?原因と危険性を知って健康で快適な住宅にするための対策

グラスウール天井断熱

グラスウールの断熱性能を発揮するための対策

グラスウールの断熱性能を発揮するためには、水や結露から守るための対策が必要です。
住宅の壁内でグラスウールが濡れる原因の多くは内部結露で、内部結露は湿った空気が壁内に侵入し、室内と室外の温度差によって湿気を含むことができる限界の温度を下回る場所で発生します。
壁内への湿気の侵入を完全に抑えることは不可能なため、内部結露を起こさないためには壁内に入ってくる湿気の排出と極力湿気を入れさせない防湿が重要となります。
一般的には、壁内に上部と下部が外気に通じている通気層を設ける構造で湿気の排出は可能となります。
防湿は住宅の状況に合わせた技術力が必要で、難易度の高い施工になります。
具体的には水の侵入を防ぐためにグラスウールの外壁側に透湿防水シートを施工し、断熱材内部まで入ってしまった湿気は通気層によって排出させます。また、室内側に可変透湿気密シートを施工することで、冬場は室内側からの湿気の侵入を防ぎ、夏場は室内側に湿気を排出するようにします。
これによって、壁内に湿気を滞留させないようにコントロールし、夏でも冬でも内部結露が起こらない環境を造る必要があります。

断熱材スーパーウォール

まとめ

グラスウールは、施工をする人間が正しい知識を持っていないと施工不良が起こりやすい断熱材です。
住宅で最も多く使われてきた断熱材ですが、現在でも施工不良の事例を見かけます。
住宅は、人生において最も高価な買い物と言われています。
後悔と失敗がないように、どのような施工をしているのか必ず確認するようにしましょう。


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2022年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築67%・既存0%
2021年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2020年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築50%・既存0%