戸建てやマンションなど、マイホームの購入は人生の大きなイベントの1つです。
マイホームを一括購入できる方は少ないため、ほとんどの方が住宅ローンを利用して返済をしていくことになりますが、住宅ローンを利用する際に必ず知っておきたいことが「住宅ローン控除」です。
住宅ローンの返済は家計の支出の中でも大きな割合を占めるため、住宅ローン控除を活用することで家計の負担を軽減することができます。
そのため、住宅ローン控除の仕組みや利用できる要件などについてしっかりと把握しておきましょう。
今回は、住宅購入時に多くの方が利用する住宅ローンと住宅ローン控除について解説していきます。
目次
住宅ローンはマイホーム購入をサポート
住宅ローンは、マイホームの新築、購入、増築、改築などをする際に銀行などの金融機関から融資を受けて返済を分割にすることで、高額なマイホームの購入をサポートする仕組みのことです。
十分な資金をすぐに用意できないという方でも、住宅ローンを組むことでマイホームの購入が可能になります。
一方で、住宅ローンは長期に渡る分割返済を前提としているため、受けた融資に対して利息(金利)を払う必要があります。
元金だけでなく利息も含めた金額を払っていくことになるため、返済期間が長ければ長いほど総支払額も大きくなってしまいます。
返済期間を短くすれば総支払額は抑えられますが、月々の支払額が増えてしまい家計の負担が大きくなるので、住宅ローンを組む際は仕事や結婚、子育て、定年退職などのライフステージを考慮して、借入額や返済期間を決めることが重要となります。
住宅ローンのメリット
・マイホームを持てる
住宅ローンを組むことで分割返済となるため、住宅のための資金をすぐに全額用意できない方でも、一定の収入があればマイホームを持つことができます。
資金が貯まるのを待つ必要がなく、借入額や返済期間を設定できるため、月々の返済額を抑えることで生活費の確保もしやすくなります。
関連記事:返済比率が高いときの対処法は?無理のない住宅ローンの組み方
・団体信用生命保険で備えられる
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローン返済中の契約者に万が一のことがあった際に、残りの住宅ローンをゼロにしてくれる保険のことです。
契約者が傷病や死亡といった予期せぬ事態によって支払いをできなくなったとしても、残されたご家族が返済に困ることなくマイホームに住み続けることができます。
・住宅ローン控除が受けられる
住宅ローンを利用することで、住宅ローン控除を受けることができます。
いくつかの要件はありますが、住宅ローン控除を利用することで新築住宅の場合13年間、中古住宅の場合10年間にわたって年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税・住民税から差し引くことができます。
住宅ローンのデメリット
・利息により総返済額が多くなる
住宅ローンを利用すると、受けた融資に対して利息が発生するため総返済額が多くなります。
総返済額は借入金額に利息がプラスされた金額となるため、住宅購入価格よりも多く支払わなければならなくなります。
利息がいくらとなるのかは、借入金額や借入期間、金利の種類、金融機関などによって異なります。
・金利変動リスクがある
住宅ローンを変動金利で契約している場合、政策金利が上昇することで住宅ローン金利も上がり、返済金額が多くなってしまうというリスクがあります。
固定金利を選択することで金利変動リスクは回避することができますが、固定金利は変動金利と比べて金利の設定が高めになっていることが一般的です。
・収入減少による滞納リスクがある
住宅ローンは長期間の返済となるため、現時点で問題がなくとも収入の減少や定年退職後も住宅ローンの返済が残るケースなどがあり、支払いが困難になる可能性があります。
返済が滞ると自宅を競売で強制的に売却されてしまう恐れがあるため、ゆとりある返済計画にする必要があります。
関連記事:世帯年収で考える住宅ローンの目安は?固定金利・変動金利の違いも解説します
住宅ローン控除(住宅ローン減税)の仕組み
住宅ローンの返済は家計の支出の中で大きな割合を占めるため、負担軽減を図る目的で「住宅ローン控除」が利用されます。
「控除」とは一定金額を差し引くことで、住宅ローン控除とは住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合に、給与などから納めた所得税や住民税から一定金額を差し引いて税負担を軽減する制度のことで、正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。
住宅ローン控除を利用することで、新築住宅の場合は13年間、既存住宅および増改築の場合は10年間にわたって年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から直接控除することができます。
また、所得税から控除しきれない場合には住民税から控除されます。
住宅ローン控除は税額控除ですが、税金の控除には大きく分けて「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。
所得控除
納める税額は、収入から必要経費を差し引いた「所得」を用います。
所得税は所得に対して課税されるので、所得の金額が少なければその分納める税額を少なくすることができます。
この所得金額からある一定の額を控除できる制度を所得控除と言います。
税額控除
税額控除は、最終的に算出された税額から直接一定金額を差し引くことができる控除です。
税額控除と所得控除が同額の場合、税額から直接控除できる税額控除の方が節税効果の面で見ると有利となります。
税額控除に分類される住宅ローン控除はもれなく適用を受けるようにしましょう。
住宅ローン控除を受けるための要件
住宅ローン控除の適用にはいくつかの要件があります。
住宅ローン控除を受けるためには、次のすべての要件を満たす必要があります。
新築住宅を購入した場合
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること
・住宅取得後6か月以内に入居し、引き続き居住すること
・床面積が50㎡以上で2分の1以上が居住用であり、控除を受ける年の合計所得が3,000万円以下
または、床面積が40~50㎡未満で2分の1以上が居住用であり、控除を受ける年の合計所得が1,000万円以下であること
・2つ以上の住宅を所有している場合、主な居住用と認められる住宅であること
・居住年含む3年以内に譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと
・居住年の翌年以降3年以内に居住した住宅・土地以外の一定の資産を譲渡し、譲渡所得の課税の特例を受けていないこと
・贈与による住宅の取得でないこと
中古住宅を購入した場合
中古住宅の場合は上記に加えて
・使用されたことのある20年(耐火建築物は25年)以内に建築された住宅であること
・耐震基準に適合する建物であること
増改築等をした場合
リフォームやリノベーションでも住宅ローン控除を受けることができます。
リフォームやリノベーションで住宅ローン控除を受けるための要件は以下になります。
・増築、改築、大規模な修繕・模様替え
・マンションなどの床、階段、壁で行う一定の修繕・模様替え
・一定の耐震改修工事
・一定のバリアフリー改修工事
・一定の省エネ改修工事
2024年以降は省エネ性能が必須要件
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅について、住宅ローン控除を受けるためには省エネ基準に適合する必要があり、省エネ基準を満たさない新築住宅は住宅ローン控除の対象外となります。
これに伴い、2024・2025年に新築住宅に入居する場合の住宅ローン控除の申請の際は、認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅に該当することを証する書類の提出が必要となります。
住宅の環境性能等 | 借入限度額 | 控除期間 | 控除率 | ||
2022・2023年入居 | 2024・2025年入居 | ||||
新築住宅 買取再販 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 | 13年間 | 0.7% |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 | |||
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 | |||
その他の住宅 | 3,000万円 | 0円 | |||
既存住宅 | 長期優良住宅・低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅 |
3,000万円 | 10年間 | ||
その他の住宅 | 2,000万円 |
住宅ローン控除を受けるには「確定申告」「年末調整」が必要
住宅ローン控除を受けるためには要件を満たすだけでなく、「確定申告」や「年末調整」が必要となります。
個人事業主やフリーランスの方が控除を利用するためには毎年「確定申告」をする必要があります。
一方、会社員の方が住宅ローン控除を利用する場合、初年度はご自分で確定申告をする必要がありますが、2年目以降は年末調整で手続きが可能で、確定申告の必要はありません。
確定申告をしないと還付申告ができないため、住宅ローン控除の適用が受けられません。
まとめ
今回は、住宅ローンと住宅ローン控除について解説しました。
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んでマイホームを新築したりリフォームをしたりしたときに、要件を満たすことで所得税や住民税の一部が減税される制度です。
2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、住宅ローン控除を受けるためには省エネ基準に適合する必要があります。
ライフプランに合わせた返済計画をしっかりと立てて、住宅ローンを活用してマイホームを手に入れましょう。
大栄建設では、健康をコンセプトとした空気がおいしい家づくりにこだわり、HEAT20 G2、C値 ≦ 0.5を基準に全棟耐震等級3、長期優良住宅、パッシブデザインの高気密・高断熱・省エネ住宅を提供しており、『完全自由設計の注文住宅』、規格住宅『TRETTIO』、建て替えよりもコストを抑えた『フルリノベーション』をご用意しております。
資金計画や住まいづくり勉強会、見学会・相談会なども定期的に開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
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大栄建設は ZEH※の普及に努めています!
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の略。
ネットゼロエネルギー住宅とは、建物の断熱化+機器の高効率化により、使用エネルギーを削減し、さらに、太陽光発電などの創エネルギーを用いることで、エネルギー収支がゼロになる住宅のこと。
大栄建設の ZEH普及実績と今後の目標
2025年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH目標値は新築75%・既存75%
2023年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2022年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築67%・既存0%
2021年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2020年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築50%・既存0%