ピアノやヴァイオリン、ギターなどの楽器の演奏をしたい、スピーカーから大音響で音楽や映画を楽しみたい、動画を配信したいなど防音室の需要が高まっています。
またお家の中からの音の流出だけではなく、車の交通量が多い場所であったり、近隣の方の生活音やペットの鳴き声など外部からの騒音を遮断したいという方もいらっしゃいます。
防音室はあとから作ることも可能ですが、新築時に設けておく方がより性能が高く費用を抑えて作ることが可能になります。
今回は、防音室についてご紹介します。
防音室について
防音室とは、外の音が室内に入ってくるのを防いだり、室内の音が外に漏れたりすることを防ぐことを目的とした部屋です。
お家が交通量の多い道路や線路、空港の近くであったり、繁華街や深夜営業のお店などが近くにあったりする場合、深夜になっても騒音が聞こえてきてストレスになってしまう可能性があります。
また楽器の演奏や音楽鑑賞、映画鑑賞、配信活動、テレワークなどのスペースを防音室にすれば、音漏れを気にすることなくより集中することができるでしょう。
音は振動によって空気を伝わる「空気音」と、壁や床、天井などを伝わる「固体音」にわかれます。
音を防ぐためには振動が伝わらないようにする必要があり、効果の高い防音室を作るには空気が漏れないように密閉し、壁・床・天井に加え、壁に面するドアやサッシなどから音の振動が外にもれないような構造にする必要があります。
振動が伝わらないようにする方法として、一般的に音を遮る「遮音」と音を吸収する「吸音」、振動の伝達を小さくする「防振」、振動を抑える「制振」の四種類があり、これらを総称して「防音」と呼びます。
防音室を作るときのポイント
どれくらいの防音性能が必要かは、使う人の用途や住まいの環境によって異なります。
防音室がどの程度の防音性能を持っているかを示すものとして日本建築学会による「遮音等級」があります。
遮音等級は建物の遮音性能のレベルを表す指標で、隣の住宅や外からの音の伝わりを示す壁やサッシ、ドアの遮音性能に関する等級「D値」と、上階から下階への音の伝わりを示す床の遮音性能に関する等級「L値」があり、室内で発生した音をどの程度小さくして室外に伝えるのかを測定することによって決められます。
D値
D値は壁に入る音と壁を透過する音の音圧レベルをdB(デシベル)という単位で表しその差で求められる値で、室内で発生した音を壁がどのくらい遮断するのかを示す数値です。
D-50などと表記され、この場合は50dB音圧が遮断されることを意味し、値が大きいほど遮音性能が高いことを表します。
※Dr値は、D値がJIS A1419によって1992年に規定され、その後2000年に改定された際に変更となった表記です。
防音の性能は、防音室の遮音性能に加えて建物自体の遮音性能も加わるため、そのことも加味して検討しましょう。
ドアやサッシなどの開口部の遮音性能を表す等級にはT1~T4の4段階のT等級があり、こちらも値が大きい方ほど遮音性能が高いことを表します。
L値
上階の床で生じる音が下階でどの程度聞こえるのかの基準として、決められている遮音等級をL値といいます。
L-50などと表記され、値が小さいほど遮音性能が高いことを表します。
L値にはLH値とLL値の二種類があり、LH値は重く鈍い音である重量衝撃音、LL値は軽く高い音である軽量衝撃音の遮音等級を表します。
防音室を作るときの注意点
防音室には主に2種類のタイプがあり、室内にパネルを組み立てる組立式のタイプとお部屋をまるごと防音室にするタイプがあります。
組立式のタイプは、室内にパネルを組み立てるだけのためリフォームなどですぐに設置することができ、また防音室の広さや防音性能もある程度選べます。
しかし、元からあるお部屋の中に防音室を作ることになるため、防音室の重さに耐えられる場所である必要があり、また天井が低くなるため圧迫感を感じたり、防音性能が抑えめであったりといったデメリットがあります。
お部屋をまるごと防音室にするタイプは、お部屋自体が防音室になるため広さは自由に選ぶことができ、圧迫感がなくまた防音性能も高くなりますが、大掛かりな工事が必要です。
音について
音には大きさ、高さ、音色の三要素があり、人はそれぞれの違いを識別することによって認識しています。
注意して頂きたいことが、音の高さによって防音のしやすさが異なるということです。
同じ音の大きさであっても、高い音は防音しやすく、低い音は防音しにくくなります。
そのため遮音等級などはあくまで目安として、どのくらいの防音性能が必要か、どういった音を防ぐのかなど用途を明確にしてから設計をすることが大切です。
まとめ
ご近所に気を使うことなく趣味を楽しめるような防音室を作る方も増えてきました。
用途や目的によって必要な遮音等級が違うため、最適な防音室を作るためには遮音と吸音などのバランスを調整することが必要です。
完全な無音にすることは非常に難しくまた費用もかかるため、防音したい音の種類や家全体を防音したいのか、特定の部屋だけ防音したいのかなど用途をよく考えてから設計することが大切です。
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大栄建設の ZEH普及実績と今後の目標
2025年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH目標値は新築75%・既存75%
2023年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2022年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築67%・既存0%
2021年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2020年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築50%・既存0%